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パーキンソン病・パーキンソン症候群誰でもなる可能性があります。リツイート (2018/01/04)

葛飾区亀有、足立区、亀有整体院、阿部カイロプラクティック研究所、8:30~23:00まで予約受付します

     

パーキンソン施術

 

誰でもパーキンソン病になる可能性がある?!

パーキンソン病は、脳神経系の病気の中でもっとも患者数の多いもののひとつです。 日本全国で10万人以上の患者が存在すると思われます。 残念ながらパーキンソン病の原因はいまだに詳しくわかっていません。 そのため完治は難しい病気です。

   

加齢とパーキンソン病の関係

実は年を取ると誰でもパーキンソン病になる可能性があります。 多くの研究から10歳年を取るごとに平均10%程度のドーパミンニューロンが死んでいくことがわかっています。 大体正常の20%位にドーパミンニューロンが減ってしまうと症状が出ると言われています。

単純に、20歳のときを100%だとして計算すると、100歳で私たちの殆どがパーキンソン病になることになります。 実際、私たちが持つ「お年寄り」のイメージを極端に表現すると、パーキンソン病患者そっくりになります。 万事がスローで、物覚えが悪くなり、ちょっと前かがみになって歩き、転びやすく、震えが来たりするのはドーパミンが減少していることと無関係ではありません。

そういう意味でいえば、パーキンソン病は一部の不幸な人の病気ではありません。 私たちが元気で活動的な老後を送るためにも、パーキンソン病の原因を突き止めることは重要なことなのです。

   

パーキンソン病

パーキンソン病ってなに?

パーキンソン病は、19世紀のはじめに、イギリスのジェームズ・パーキンソンという医師が最初に報告したことから、この名前がつきました。

パーキンソン病は、まず手足のふるえが50歳過ぎごろから目につくようになります。 そして、ゆっくりとし病状が進行するのが普通です。

パーキンソン病の一般的な経過は体の片側から症状が始まる場合が多く(1度)1~2年で両側(2度)そしてバランスが悪くなり(3度)進行すると介助なしでは日常生活ができなくなり(4度)ついに寝たきりになる(5度)こともあります。

しかし、40歳前に発症する若年性パーキンソン病や、70歳を過ぎてからの発病もあります。 病気の進行具合も、比較的早い場合もあれば、10年以上たってもあまり悪化しない場合もあります。 パーキンソン病は治療の進歩が著しく、一般には天寿をまっとうできる病気です。

   

基底核の神経細胞が減り、運動失調に

基底核というのは、体のバランスをとったり、運動を調節するのに重要な役割をしています。 中脳黒質(こくしつ)という部分があり、ここの神経細胞ではドーパミンという重要な神経伝達物質をつくって基底核に連絡します。 パーキンソン病になると、この神経細胞が減ってドーパミンの産生が少なくなります。 そして、神経間の情報伝達がうまくいかなくなり、運動が下手になるのです。 しかし、黒質細胞がどうして減るのか正確な原因はわかっていません。

 

ふるえ・固縮・無動・バランスの悪さが出る

パーキンソン病になると、ふるえが出ます。それとともに四肢の筋肉がかたくなります。 筋肉がかたくなってしまうと関節の動きも円滑でなくなり、無理に動かすと歯車のようなガクガクした動きになります。 運動の速さは低下し、運動の量も減り、じっとしている傾向が目立ちます。

この「手足のふるえ(振戦)」、「筋肉のこわばり(固縮)」、「動きが乏しくなる(無動)」、「バランスが悪くなる」という4つの症状がこの病気の特徴です。 これらに伴い無表情、低い声、言葉の不明瞭さ、字がうまく書けない(小字症[しようじしよう])、動作開始の遅さ、姿勢を保つことの困難さ、歩きにくさなどが出てくることになります。

 

パーキンソン症候群ってなに?

原因がわからないことを医学用語では「特発性」といいますが、特発性にパーキンソン症状が出る代表がパーキンソン病です。 このほかには、線条体黒質変性症(せんじようたいこくしつへんせいしよう)、進行性核上性麻痺(しんこうせいかくじようせいまひ)などの難病があります。

これに対して、何か原因がある場合、例えば多発性脳梗塞(たはつせいのうこうそく)などの脳の血管障害でも同じような症状が出ます。 また、いくつかの薬の副作用でパーキンソン病と同じような症状が出ることもあります。 このように、パーキンソン病のような症状があらわれる疾患を総称し、パーキンソン症候群といいます。 代表例を表にまとめてみました。薬で起こるパーキンソン症状というのは意外に多いので注意が必要です。

   

 

パーキンソン症候群

特徴

症候性

原因があるもの

脳血管障害性

歩行障害、軽度痴呆症、嚥下障害を伴う。

頭部MRIで血管障害を確認できる。L・ドーパは無効

薬物性

原因薬剤の服用。歩行障害で発症することが多い。

臨床症状はパーキンソン病と区別がつかない場合がある

変性疾患

原因不明のもの

レビー小体型痴呆

パーキンソン病の症状と痴呆症状をあわせもつ

線条体黒質変性症

L・ドーパの反応が悪い。

頭部MRIにて特徴的な所見がある

進行性核上性麻癖

転びやすい。嚥下障害(よくむせる)。眼球運動障害。

ジャイ・トレージャー症候群

自立神経障害(起立性低血圧)が強い

線条体黒質変性症、ジャイ・トレージャー症候群、および脊髄小脳変性症のオリーブ橋・小脳萎縮症をまとめて多系統萎縮症という。 3疾患とも進行すると、パーキンソン症候群、自律神経症状、小脳症状を呈する。

 
 

早期パーキンソン病の治療

残念ながらパーキンソン病の原因はいまだに詳しくわかっていません。 そのため完治は難しい病気です。 しかし、脳内で不足しているドーパミンを補うことで症状が軽くなることが分かっています。

ドーパミン自体を飲んでも脳内に達しないので、L-ドーパという前駆物質を服薬します。 L-ドーパは脳中でドーパミンに変化します。現時点では、これがもっとも理にかなった治療だといえます。 しかしL-ドーパ製剤は長期服薬すると効果が減弱し、症状に日内変動(よくなったり、悪くなったり)が見られたり、ジスキネジアといった不随意運動(自分の意志に関わりなく身体が動いてしまう症状)が出現するようになったりします。 このため、高齢者や認知症(痴呆症)の合併者以外は、まずほかの薬(抗パーキンソン薬)で治療をすることが必要です。

 

早期パーキンソン病の治療ガイドライン

日本神経学会ではパーキンソン病の治療ガイドラインを発表しました。

 

早期パーキンソン病の治療ガイドラインのポイント

  1. 高齢者(ひとつの目安として70~75歳以上)および認知症(痴呆症)の合併患者以外はドパミンアゴニストから開始する。

  2. ドパミンアゴニストで関心が強い場合や十分な効果が得られない場合はL-ドーパを併用する。この2種類でも症状の改善が不十分な場合は、抗コリン薬または塩酸アマンタジンを併用する。

  3. ドパミンアゴニストを使用する際はドンペリドンを併用するとスムーズに誘導することができる。

  4. L-ドーパを開始する場合モノアミン酸化酵素B阻害薬を同時に併用してもよい。

  5. 治療期間が長くなる若年者の場合、抗コリン薬あるいは塩酸アマンタジンで数年間の治療が可能であれば、L-ドーパ開始を遅らせることができる。

  6. L-ドーパ(DCI合剤)は、L-ドーパが脳に入る前に分解されにくく工夫された薬物。L-ドーパといえば、通常この合剤のことが多い。

 

抗パーキンソン薬について

ドパミンアゴニスト

脳内でドーパミンを受け取る部分であるドーパミン受容体を直接刺激することで、パーキンソン病の症状を軽減する、ドーパミンもどきの薬といえる。

 

抗コリン薬

パーキンソン病では、脳(綿条体)の中でドーパミンが少なくなることにより、相対的にアセチルコリンという物質が優位に立つと考えられている。このアセチルコリンを抑えることで、パーキンソン病の症状を緩和させる。

 

塩酸アマンタジン

A型インフルエンザウイルスの治療薬。脳細胞を刺激してドーパミンの分泌を活発にする。

モノアミン酸化酵素B阻害薬

ドーパミンの分解を阻害し、作用時間を延長する。

 

ドロキシドパ

脳内でノルアドレナリンという物質に変わる。パーキンソン病の進行期にみられるすくみ足に有効な場合がある。

 

進行期パーキンソン病の問題点

ふるえ(振戦)、固縮、無動症、バランスの悪さに加えて、パーキンソン病では、進行してくるといろいろな症状が現れます。 歩行の第一歩が出にくくなり、歩幅が狭く小刻みになります。 また、狭いところや方向転換時に、すくみ足がみられるようになります。 このすくみ足は、「1、2、1、2」と声をかけたり、床に歩幅に合わせてテープを貼ってあげるとしばしば解消されます。

パーキンソン病に対する外科治療

パーキンソン病の治療は薬物によるのが基本ですが、薬物による治療が難しい場合、特に薬剤抵抗性のふるえ(振戦)や抗パーキンソン薬による副作用の不随意運動(ジスキネジア)に対しては、専門医による外科的治療が行われています。 大脳基底核の中の特別な部分を温熱凝固する方法(破壊術)と、電極の埋め込み(脳深部刺激療法)を行う方法などあります。しかし、これを行える施設はごく限られているのが現状です。

なお、外科的治療とは言えども、あくまでも症状をとるものであって、パーキンソン病そのものをを完治させるものではありません。

 

「ドーパミン」とは一体どんなものなのでしょうか?

ドーパミンは神経伝達物質で、アドレナリン・ノルアドレナリンの前駆体です。 簡単に言うとすると、「快感や多幸感を得る」、「意欲を作ったり感じたりする」、「運動調節に関連する」といった機能を担う脳内ホルモンのひとつです。 パーキンソン病はドーパミンの不足によって起こりやすくなります。

 

ドーパミンってなんだ?

脳の中にはおよそ1兆個の神経細胞がありますが、そのなかにはドーパミンにしか反応しない神経も存在します。 この神経は快感を伝達する神経といわれいて、「ドーパミン作動性神経」と呼ばれています。 ドーパミン作動神経は主に快感を得たときに活躍する神経なのですから、逆を言えば、ドーパミンを分泌させること=快感を得ることでもあるのです。

ドーパミンは交感神経節後線維や副腎髄質に含まれるノルエピネフリンやエピネフリン(ホルモンの一種)という物質とともに生体内アミンの一種であるカテコラミンという物質のひとつです。 私たちの食べ物の中に含まれるフェニルアラニンやチロシンというアミノ酸がチロシン水酸化酵素によってドーパになり、それがドーパ脱炭酸酵素の働きでドーパミンになることがわかっています。

このドーパミンはさらにドーパミンβ水酸化酵素という酵素でノルアドレナリンになりますし、これはさらにエピネフリンに変わります。 ですから、1950年代まではドーパミンはノルエピネフリンやエピネフリンの単なる前駆物質で、それ自体はとくに生理的な仕事はしていないだろうと一般に考えられていました。

ところが、1959年になって大阪大学の佐野勇教授らがドーパミンは脳にもノルエピネフリンと同じくらいたくさん含まれていて、その脳内分布はノルエピネフリンとは全く違って「大脳基底核」という脳の部位に局在していることを発見され、実はドーパミンは脳で神経伝達物質として独自の仕事をしていているのではないか、多分運動の制御に深く関る物質なのではないかと考えられるようになってきました。

実際、1960年エーリンガーとホーニキーヴッツはパーキンソン病の患者さんでは大脳基底核の中の「線条体」という場所のドーパミンの量が非常に少ないことを確認し、1961年にはビルクマイヤーとホーニキーヴッツはドーパミンの前躯体であるL-ドーパを患者に静注して、注射後数分以内に動くことのできなかった患者さんが立ち上がって歩きだしたことを報告しています。

 

ドーパミンの性質

交感神経節後線維や副腎髄質に含まれるノルエピネフリンやエピネフリン(ホルモンの一種)という物質とともに生体内アミンの一種であるカテコラミンという物質のひとつです。生体内でチロシン由来のドーパから合成されるほか、ノルアドレナリンやアドレナリンの前駆物質にもなります。

 

ドーパミンが多量に出ているとお腹がすかない

「趣味に夢中になってしまって、食事をわすれてた!」こういう経験はありませんか? 人間は、快感を得ているときや、精神活動が活発に働いて物事に集中しているときには空腹感を感じません。

たとえば・・・ 映画を見てとても感動しているとき スポーツの試合をしているとき 自分の好きな趣味に夢中になっているとき 好きだよと告白されたとき 片思いをしている相手のことを想像しているとき など

ドーパミンが多く分泌されれば、食欲が抑制されます。そのため、ダイエットにも非常に有効だといわれています。

 

ドーパミンはどういう時に分泌されるの?

人間はドーパミンを分泌させることを目的として生きているようなもので、ドーパミンは“生きる意欲を作るホルモン”ともいわれています。極端に言い換えるならば、人間はドーパミンを分泌させることを目的として生きているのかもしれません。

人間がこのような感覚を持つとき、ドーパミンが多量に分泌されます。

 

「がんばるぞ!」

意欲が出ているとき

「うれしいなぁ!」

誉められて気分が爽快のとき

「やった!」

合格して喜んでいるとき

「素晴らしい!」

絵を見て感動しているとき

 

ストレスで増えるコルチゾル 快感で増えるドーパミン

精神的ストレスを感じると、ヒトはコルチゾルというホルモンを分泌させます。 これは脳内のあらゆるホルモンの活動性を低下させるといわれています。 当然のことながら、ストレスはドーパミンの分泌を低下させます。 しかし、快感を得ているときにはストレスホルモンであるコルチゾルは分泌されないのです。 快感を得る(感じる)ホルモンの代表格はドーパミンです。 結局、ドーパミンを分泌させておくことができれば、コルチゾルの分泌を防ぐことができるというわけです。

 

ドーパミンを増やすには?

快感や幸福感をつかさどるドーパミンを増やすには、「新しい刺激」「はじめての感動」といったものが大変有効です。 また、マイナス思考よりもプラス思考であるほうが、ドーパミンの分泌量は多いといえます。

 

新しい道を歩いてみる

「新しい刺激=はじめての経験」は脳を活性化させます。いつもと違うルートを使って会社に行くだけでも、脳は「新鮮さ」という快感を得ます。 しかし、いつも違うルートで通うとなると、時間通りに目的地に付けない不安(マイナス要素)が発生します。 だから、ヒトはたいてい同じ道を通り、予定通りに動こうをします。 もしいつもと違うルートで会社に行くとすれば、時間的にゆとりが必要です。 そのために苦手な早起きをしなくてはなりません。 これが「マイナス要素からプラス要素を見出すこと」です。 そういう労力をかけてこそ、新鮮さという脳へのご褒美を作ることができます。

 

スポーツをする

たとえば、スポーツの試合中に「うつ」の気分でいることは不可能です。 これはドーパミンが出ていることの裏返しです。 つまり、沈んだ気持ちも回復させてしまうほど、ドーパミンには影響力があるということです。 スポーツであればなんでも構いません。 1人でするマラソンでも、2人でするテニスでも、大勢でする野球でも、何でもいいのです。 また、軽い体操などでも快感を覚えることができれば十分です。 カラダを動かしたという満足感や、仲間と楽しく過ごせたという幸福感が脳を刺激し、ドーパミンをより一層分泌することになるのです

 

新しい店を開拓する

洋服店でも飲食店でも何でもかまいません。 まだ一度も行ったことのないお店をどんどん開拓していきましょう。 もちろん新しいお店にははずれも多いでしょう。 ですが、ここでは当たりはずれを探す作業ではなく、「新しさに触れよう」とする姿勢が重要なのです。 ドーパミンは新しいものと触れ合うときに多量に分泌されるホルモンです。 ですから、新しいことに怖がらず、何事にも前向きに行動してみましょう。

 

何かに応募する

あなたが普段している趣味のコンテストでもいいし、映画試写会の抽選のはがきでも懸賞でもなんでもかまいません。 何かに応募すれば、それがどのような結果になるかドキドキワクワクしますよね。 この感覚がドーパミンを分泌させます。 ワクワクするものを増やせば、ドーパミンもより多く分泌されます。 ですから、応募の数は多ければ多いほどいいでしょう。ある程度の数の応募を繰り返せば、どこかで当たりを引きます。 そのときの喜びはひとしおでしょう。 ただし、当たらなかったときに挫折感を味わう可能性もあるので、あまり過度な期待は禁物です。

とにかく出かける

外に出る気力があるという時点で、すでにドーパミンが分泌されています。 玄関の外には様々な刺激が溢れています。 まずは「外出しよう」という気持ちが大切です。 自分から友だちを誘って外出する精神と、誘われたら断らない精神を持つこともポイントです。 友だちを誘ってのショッピングや、誘われた場合にそれにつきあうことは1人でいるよりも気分が上向きになります。

 

髪型やメイク、ファッションスタイルを変えてみる

自分が変身することはかなり勇気が必要です。 思いきってスタイルを変えたときには「人にどのように言われるのだろうか?」見られるのか? そのときなんて言おうか?などと考えるものです。 このワクワク感がドーパミンを分泌させるのです。 ダイエットして美しくスリムに変わろうとするくらいですから、このくらいの変身意欲が欲しいものです。

などなど、挙げればきりがないですが、快感やときめきを自分に与えるためにはかなりの努力が必要であることがわかります。

 

ドーパミンは脳のどこで作られるか?

ドーパミンを産生する神経細胞(ドーパミンニューロン)は脳の中でいくつかのグループを作っていることがわかっています。 その中でも今回の公開講座と関係して重要なのがA9という番号がついている「黒質緻密部(こくしつちみつぶ)」という部位にあるドーパミンニューロンとA10の「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」にあるドーパミンニューロンです。 両方とも脳の深部にある脳幹という所に隣り合って存在し、長い突起(軸策と言います)を線条体に伸ばしています。 正確には線条体の背側にA9から、腹側の線条体(これを別名側坐核(そくざかく)とも言う)にはA10からドーパミンニューロンの軸策が伸びています。 軸策の末端にはシナプスという構造があって、そこからドーパミンを放出するので、線条体でドーパミンが多くなるというわけです。 パーキンソン病の患者さんでは、黒質緻密部にあるドーパミンニューロンが死ぬために線条体で放出されるドーパミンが少なくなって無動、固縮、振戦といったパーキンソン病特有の運動症状を生じるわけです。

 

神経伝達物質としてのドーパミン

脳はニューロン(神経細胞)とそれを養うグリアから構成されています。 ニューロン同士は互いに神経突起(軸策と樹状突起)を出し合って、信号をやり取りしています。 その信号のやり取りはニューロンとニューロンの間にあるシナプスという接合部で行われます。電気信号がシナプスに伝わると、シナプスでは化学物質が放出されて、信号を次のニューロンに伝えるわけです。 ドーパミンはそういう化学物質のひとつです。放出されたドーパミンは受け手のニューロンの膜にある受容体(この場合はドーパミンがくっつくのでドーパミン受容体といいます)というたんぱく質にくっつきます。 ドーパミン受容体には現在5種類あることがわかっていますが、ドーパミンがこれに結合するとニューロンに電位変化が起こったり、細胞内の情報伝達系が動いてさまざまな変化を受け手のニューロンに引き起こします。 役目を終えたドーパミンはまた神経末端のシナプスにあるドーパミントランスポーターというたんぱく質によって取り込まれて再利用される仕組みになっています。

   

ドーパミンニューロンってなに?

ドーパミンニューロンは大脳基底核とそれに指令を与える大脳皮質、特に前頭前野(ぜんとうぜんや)や帯状回(たいじょうかい)などに枝を伸ばしてドーパミンを分泌します。 そこでは技能を磨いたり、次第に行動を習慣化したり、そのような個々の行動をどのような順番に組み合わせて行動を起こすかを企画したり、戦略を練ったりする働きをしています。

 

ドーパミンの働き

私たちが日常何かをするときには、意識するしないに関わらず、必ず何らかの動機がその行動の背後にあります。 ものを食べたり、ゲームをしたり、勉強をしたり、スポーツをしたり、溝に落ちないように道路を歩いたり、あるいは朝起きて顔を洗うといったごく日常の習慣にも、当然何らかの動機があります。ドーパミンニューロンはそのような行動の動機付けに関連して活動を増すことがわかってきました。

私たちのまわりで起こるさまざまな出来事がいいことであれ、嫌で危険なことであれ、とにかく自分にとって意味があり、何らかの行動を引き起こすような場合には、必ずドーパミンニューロンが活動しています。 つまり、私たちは周囲の環境にに適応し学習しながら、生活するすべを会得していきます。 言ってみれば人生は学習の連続です。ドーパミンはそのような学習の強化因子として働いているのです。

 

ドーパミンの主な作用、心筋への作用

 

利尿作用を促す

 
 

ドーパミンが減るとどうなるか?

ドーパミンニューロンが減少してドーパミンが少なくなると、立ち上がって歩こうと思っても、身体がすくんでしまって、どういう順番に筋肉を動かしていいかわからなくなったり、身体が震えたり、運動そのものができなくなってしまいます。 その状態をパーキンソン病とか、パーキンソン症候群といいます。

また、物覚えが悪くなったり、忘れっぽくなったり、万事がゆっくりになって反応が鈍くなり、集中力や注意力も失われ、無力感、無気力になったりします。 また、次第に人と交わるのも嫌になり、社会から離れていきます。そのような状態になると、皮質下痴呆と呼ばれます。

何でドーパミンがなくなるとそのような症状が出るのでしょうか。 それは、神経回路の情報処理に異常が起こるからです。 パーキンソン病の場合、ほぼドーパミンニューロンだけが死んで他の神経細胞は正常のままです。 その結果、他の神経伝達物質との間にアンバランスが生じます。 最近の研究によると、ドーパミンが減ることでアセチルコリンを産生放出するコリナージックニューロンの活動そのものに異常が起こることが分かってきています。 要するに、ひとつ異常が起こると次々と連鎖的に他の神経細胞にも影響を及ぼしていくわけです。

 

ドーパミンが少なすぎると・・・(欠乏症)

パーキンソン病/精神病/物忘れ/無気力/集中力が低下する/注意力がなくなる/物覚えが悪くなる

 

ドーパミンが多すぎるとどうなるか?

ドーパミンが多くなりすぎるのも良くありません。 幻覚やパラノイア(※1)が起こったり、発話や運動をコントロールできなくなって、奇妙なことや恥ずかしいことを思わずやってしまったり口走ったりします。 また、不必要とわかっていながら同じ行動を反復する強迫神経症になったりします。

薬物依存もドーパミンに関係しています。 麻薬やコカイン、アンフェタミンなどの覚醒剤やタバコなどはドーパミンを増やす効果があるため、その行動そのものが動機となって強化されます。 その結果、精神依存を作り出し、やめたくてもやめられなくなります。 脳から見ると、タバコも覚醒剤も殆ど同じ作用があると言っていいことが明らかになっています。

※1:パラノイア=偏執病・妄想症。統合失調症(精神分裂病)の陽性症状。

   

ドーパミンが多すぎると・・・(過剰症)

幻覚・妄想/パラノイア/統合失調症/強迫神経症/異行/おちつきがなくなる/力加減がわからなくなる

     

麻薬とドーパミン…MPTP物語

麻薬そのものがドーパミンと深く関わっているのは事実で、麻薬とドーパミンは切っても切れない仲にあります。 パーキンソン病研究を飛躍的に発展させたのも、ある意味で麻薬中毒患者たちの功績だといえるかもしれません。

麻薬の常習者たちは自分で麻薬(メペリジン類似物質)を合成して、自分に注射を打ったり、商売をしたりするのですが、麻薬合成の際に、中にMPTPという不純物が混じってしまいました。 これは注射すると血液脳関門を通過してグリア細胞の中でモノアミン酸化酵素(MAO-B)によってMPP+に変換されます。 さらにドーパミントランスポーターによってドーパミンニューロンに取りこまれるため、ドーパミンニューロンを殺してしまいます。 MPP+は細胞内のミトコンドリアに集まりNADPHデヒドロゲナーゼ(複合体I)という酵素を阻害し、細胞のエネルギーであるATPの生成を阻害するのです。 1983年、ラングストンは次々と若い麻薬中毒患者がパーキンソン病そっくりになって病院に担ぎ込まれるのを見て、MPTPが原因物質であることをつきとめました。

 

このMPTPはヒトやサルなどの霊長類できわめて感受性が高く、高齢になるほど高度で不可逆的な障害を引き起こします。 人工産物であるMPTPがほぼ完璧なパーキンソン病を作り出すことがわかったため、パーキンソン病の原因となる物質が私たちの環境にあって、知らず知らずのうちに摂取していることがパーキンソン病の原因なのではないかと考えられるようになりました。

これまで、食物の中に含まれるTIQ類やカルボリン類などの物質が注目されましたが、残念ながら原因物質としては今のところは否定的です。 また原因物質が何であれ、MPTPの代謝から類推してMAO-B阻害剤や酸化防止剤などがパーキンソン病の進行を遅らせるのではないかと期待されましたが、これもはっきりとした結果は得られませんでした。

最近、殺虫剤に含まれるロテノンという物質をラットに注射しつづけたらパーキンソン病そっくりの病態を作り出すことに成功したという報告が出て、今脚光を浴びているところです。 いずれにしても、何らかの遺伝素因のある人が環境の何らかの物質に長い間暴露される結果パーキンソン病が発症するというのが現在の定説になっています。

     

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